Monday, June 20, 2005

que sera sera

今週は仕事に打ち込んだ。これほどまでに仕事に打ち込んだのは久々である、というほどに頑張ったと思う。今日は久々に会社と家以外の場所に足を運んでみた。帰国直前のKさんから、アイロンと台を譲ってもらいにアッパーウエストへ。普段乗らない電車で普段行かない場所へ行くのは、何だか旅行に行くようだ。

42丁目で黄色から赤の電車に乗り換えて、目指すは92丁目。赤は少し遅れ気味のようだ。私は流しのミュージシャンの弾き語りを聞きながら、電車を待っていた。

ふとミュージシャンを見てビックリ。かなり高齢のおじいさんだ。ヨレヨレの服にギターを抱え、顔には牛乳瓶の底のようなメガネが載っている。よく聞くと彼の歌はスペイン語。歌の前後には、何かスペイン語で語っている。それが曲の紹介なのか、お金をくれと言っているのか、残念ながら全然分からない。

このおじいさん、この蒸し暑い地下のホームでギター片手に歌を歌って、いくらお金を儲けられるんだろう。ごはんは食べられるんだろうか。誰もギターケースにお金を入れてくれなかったらどうしよう?とか心配にならないのかな。この先、人生どうなっちゃうんだろう?とか思わないんだろうか。

今のインターンの仕事に打ち込んでいるとはいえ、私には身分保証がない。来年になったらインターンは期間満了。滞在許可も切れるし、日本へ帰る。帰国後の仕事は、当然ながらまだ決まっていない。それが無性に不安になる。仕事は取れるだろうか?今の努力は、実を結ぶだろうか?

でもこのおじいさんシンガーを見ていて、私の不安は小さなものだと思った。彼は、一銭ももらえなかったらどうしよう?なんて心配するレベルは超越している。たとえお金を得られなくても、彼は歌い続ける。誰も彼の言っていることを理解できなかったとしても、彼はしゃべり続けるだろう。・・・これって、すごい強さだ。

おじいさんが数曲歌ったところで、電車到着。飛び乗って92丁目を目指したのだが、そのとき歌い始めた曲を聞いて、やっと初めておじいさんが何を言っているか理解できた。Que sera sera...まさにおじいさんの人生哲学なのだろうなぁ。

電車が遅れなかったら、このおじいさんを観察することはなかった。Que sera sera...も聞けなかった。もしかして電車が遅れたのは、このおじいさんを見て、自分の心配のスケールの小ささを知りなさいという神様のメッセージなのかも知れない。そんなことを考えながら、アップタウンへ向かった。

以上、日曜午後の一コマでした。

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