Saturday, July 23, 2005

シンデレラ、「ご」と格闘する

今朝のことである。世界中で最も会いたくない方に、キッチンで遭遇してしまった。

その名は「ご」。分かりますね?地球上の誰よりも長生きで、嫌われ者のアイツ。お名前は「り」で終わります。…ギャァァァー。やっぱり出たかぁぁぁー。これが私が一人暮らしを恐れていた理由である。

石のように固まった私は身動きが取れず、とっさに手に届いた洗濯用スプレーのりを噴射。攻撃を試みたものの、たくましく氷河期を生き延びた奴は平気のへーざ。冷蔵庫の奥に逃げ込んで以来出てこなかった。

完全にやっつけるために、今日は遅刻しようかと3分くらい本気で考えたが、やっぱりそうもいかない。ゆっくり戦っている暇もないので、仕方なく「ご」を残したまま会社へ。

そして夕方帰宅。殺虫剤をドアの上下にスプレーしてから、カギを開けて入った。入って来るなと念じつつ、内側からもドアの上下にスプレー。

そして問題のキッチン。ガス台の下、冷蔵庫の下。殺虫剤をスプレーしてみたものの、奴は出てこない。チラチラと抜き打ち的にキッチンの床を見るものの、奴は現れない。まるで「ご」と一緒に「だるまさんが転んだ」で遊んでいるような状態だが、ちっとも楽しくないのが子供の頃の遊びとの大きな違いである。

いい加減「だるまさんが転んだ」にも疲れたので、まあ忘れて普通にしよう、と思ったそのときである。キッチンとリビングの境界線あたりで、危うくすべって引っくり返りそうになった。そうです、朝、スプレーのりを床にまき散らしたことを、すっかり忘れておりました。乾いて固まったスプレーのりは、ワックスも驚くほどの効果。すべりの良い輝かしい床になっていたのでした。

このアパートは私のお城だというくらいの気持ちでいたのだが、現実はやっぱりボロアパートだったか。私もこのお城に住む「プリンセス」の筈であるが、実態は「ご」と格闘して床でズッコケ、トイレのタンクを修理し、風呂掃除をしようとして蛇口をひねったら、頭上から勢い良く吹き出すシャワーでずぶ濡れになったり、スットコドッコイな生活である。

確かにあのシンデレラのお話でも、シンデレラは普段は下働きをしていて、馬車はカボチャとネズミだった。現実ってこんなもんなんでしょうね。

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